2008年11月19日
大手銀行6グループが資本増強戦略
大手銀行6グループが資本増強戦略
三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)など大手銀行6グループの中間連結決算により、最終利益58%減の3980億円となったようだ。
不良債権処理費用の急増に加え、金融危機による株価急落を受けた損失も拡大しており、さらに、不良債権処理費用の合計は、融資先の不動産・建設業の倒産が相次いだことから、86・4%増の約7200億円に膨らんでいる。
これにより自己資本率が低下しており、その回復のためにも、三菱UFJとみずほは既にそれぞれ6000億円、3000億円の増資を発表し、三井住友も4000億円規模の増資を検討しているようだ。
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三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)など大手銀行6グループの2008年9月中間連結決算が18日、出そろった。6グループ合計の最終利益は前年同期比58・0%減の3980億円となった。09年3月期の予想は9300億円と前期に比べて半減、3年連続の減益となり05年3月期以来、4年ぶりに1兆円を割り込む見通しだ。
不良債権処理費用の急増に加え、金融危機による株価急落を受けた損失も拡大した。このため、三菱UFJ、三井住友フィナンシャルグループ(FG)、中央三井トラスト・ホールディングスの3グループが政府の緊急市場安定化策で認められた時価会計の緩和措置を適用した。
9月中間の不良債権処理費用の合計は、融資先の不動産・建設業の倒産が相次いだことから、86・4%増の約7200億円に膨らんだ。09年3月期では約1兆1700億円と前期の3倍の規模に膨らむ。厳しい経営環境を反映し、金融機関が融資先への貸し出し審査を厳格化する“貸し渋り”の動きも強まっているもようで、大手行の中小企業向け融資が大幅に減少した。
9月末時点の自己資本比率は、りそなホールディングスを除き軒並み低下。これを受け、国内でも財務の健全性を確保する動きが広がっており、三菱UFJは18日、公募増資と自己株式の売り出しによって最大10億株の資本増強を12月中旬に行うと正式に発表、調達額は最大6000億円程度になる見通し。17日に発行した優先株3900億円と合わせ、1兆円規模の増資を年内に終えることになる。
◇時価会計の緩和
時価会計の緩和は、金融市場の混乱で市場価格が急落した変動利付国債について、時価ではなく、各行が適正と考える価格で評価することを認める措置です。最終利益など損益上には影響が出ませんが、自己資本比率を上昇させるケースがあります。
三菱UFJは評価損が1200億円程度少なくなり、自己資本比率を約0・1%押し上げました。三井住友も1479億円評価損が減り、自己資本比率が0・2%程度上昇しました。
中央三井は3月末までの購入分に限って適用。評価損は100億円減りましたが、自己資本比率への影響はありませんでした。
一方、みずほは9月末で1300億円の評価損が出ましたが中間決算での緩和措置の適用は見送りました。ただ、みずほやりそなホールディングス、住友信託銀行も「今後検討する」としており、損緩和措置の適用に含みを残しています。
◇不良債権処理費用
不良債権処理費用は、金融機関が利払いや返済が滞っている融資先の経営破綻(はたん)に備えて貸倒引当金を積みましたり、融資の回収を断念した際に発生します。
東京商工リサーチによると、08年度上期(4〜9月)の倒産は、負債総額が前年同期比約2・9倍の8兆6560億円と、史上2番目の高水準です。このため、銀行6グループも融資先の倒産による焦げ付き多発に加え、貸倒引当金の積み増しで不良債権処理損失が拡大し、収益が圧迫されました。
三菱UFJフィナンシャル・グループの畔柳(くろやなぎ)信雄社長は18日の決算発表会見で「これだけ規模の大きい銀行は経済を写す鏡。経済が前向きに行かないと収益向上は難しい」と述べ、景気全体の悪化が進んでいることに危機感を示しました。
◇貸し渋り
大手銀行6グループの中小企業に対する9月末の融資残高は、3月末に比べ約2兆9000億円減少しています。景気後退で設備投資などの資金需要が減ったことに加え、不動産、建設関連などの業績悪化を受け、銀行が融資審査を通じ、貸出先を厳しく選別する“貸し渋り”の動きを強めているためです。
中央三井トラスト・ホールディングスを除く5グループは、半年前より中小企業向け融資が縮小。減少幅が最も大きかったのは、みずほフィナンシャルグループの約1兆円です。
政府は銀行の融資姿勢が一層厳しくなれば、資金繰りに行き詰まる中小企業が増えると警戒しており、信用保証協会の保証枠拡大などを追加経済対策に盛り込んでいます。
金融庁は銀行などに対し、企業の経営内容を十分把握し、過度に審査を厳しくしないよう注文。銀行が「不動産業だから貸せない」「これまで取引がないので融資には応じられない」などと、業種や実績だけで企業を選別するのを防ぐため、監視を強めています。
一方、大手行は大企業融資に比べ、利ざやの大きい中小企業融資を収益の柱と位置付けてきました。みずほグループの前田晃伸社長は「(中小企業向け融資は)店舗や人員を増やして力を入れている」と説明、融資残高の落ち込みを防ぐことは、大手行にとって重要な課題です。
◇自己資本比率
自己資本比率は企業融資、個人向けローン、有価証券といった資産に対する資本金や資本準備金などの比率のことです。
銀行、信用金庫、信用組合の経営の健全性を示す指標とされています。海外業務を手掛ける銀行は8%以上、国内専業の金融機関は4%以上が必要です。自己資本比率の低下は、融資を圧縮する貸し渋りや経営不安につながるため、この基準を下回った場合、金融庁は早期是正措置を発動し資本増強を命令できます。
08年9月中間決算時点では各銀行グループとも、10%超の健全な自己資本水準を確保しています。しかし、株価下落が続いているうえ不良債権の増大も進んでいるとみられ、先行きは自己資本が一層目減りする懸念があります。
このため、メガバンクは海外への大型出資を一時見合わせ、資本増強のための増資など守りの姿勢を強めています。三菱UFJとみずほは既にそれぞれ6000億円、3000億円の増資を発表しており、三井住友も4000億円規模の増資を検討しています。
一方、欧米金融機関に比べ、まだ資本の健全性を維持している国内大手行は、現状を海外進出の好機とする認識を持ち続けています。三菱UFJは今月初め、米地銀ユニオンバンカル・コーポレーションを完全子会社化。三井住友の北山禎介社長も「アジアを重視している。時間を買う必要があると判断すれば、出資や合併などを行う」と前向きな姿勢です。
大手行の資本増強が今後円滑に進むか否かは、貸し渋りの改善だけでなく、各行の海外戦略にも影響を与えそうです。
<引用:iza>
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/finance/196911/
三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)など大手銀行6グループの中間連結決算により、最終利益58%減の3980億円となったようだ。
不良債権処理費用の急増に加え、金融危機による株価急落を受けた損失も拡大しており、さらに、不良債権処理費用の合計は、融資先の不動産・建設業の倒産が相次いだことから、86・4%増の約7200億円に膨らんでいる。
これにより自己資本率が低下しており、その回復のためにも、三菱UFJとみずほは既にそれぞれ6000億円、3000億円の増資を発表し、三井住友も4000億円規模の増資を検討しているようだ。
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三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)など大手銀行6グループの2008年9月中間連結決算が18日、出そろった。6グループ合計の最終利益は前年同期比58・0%減の3980億円となった。09年3月期の予想は9300億円と前期に比べて半減、3年連続の減益となり05年3月期以来、4年ぶりに1兆円を割り込む見通しだ。
不良債権処理費用の急増に加え、金融危機による株価急落を受けた損失も拡大した。このため、三菱UFJ、三井住友フィナンシャルグループ(FG)、中央三井トラスト・ホールディングスの3グループが政府の緊急市場安定化策で認められた時価会計の緩和措置を適用した。
9月中間の不良債権処理費用の合計は、融資先の不動産・建設業の倒産が相次いだことから、86・4%増の約7200億円に膨らんだ。09年3月期では約1兆1700億円と前期の3倍の規模に膨らむ。厳しい経営環境を反映し、金融機関が融資先への貸し出し審査を厳格化する“貸し渋り”の動きも強まっているもようで、大手行の中小企業向け融資が大幅に減少した。
9月末時点の自己資本比率は、りそなホールディングスを除き軒並み低下。これを受け、国内でも財務の健全性を確保する動きが広がっており、三菱UFJは18日、公募増資と自己株式の売り出しによって最大10億株の資本増強を12月中旬に行うと正式に発表、調達額は最大6000億円程度になる見通し。17日に発行した優先株3900億円と合わせ、1兆円規模の増資を年内に終えることになる。
◇時価会計の緩和
時価会計の緩和は、金融市場の混乱で市場価格が急落した変動利付国債について、時価ではなく、各行が適正と考える価格で評価することを認める措置です。最終利益など損益上には影響が出ませんが、自己資本比率を上昇させるケースがあります。
三菱UFJは評価損が1200億円程度少なくなり、自己資本比率を約0・1%押し上げました。三井住友も1479億円評価損が減り、自己資本比率が0・2%程度上昇しました。
中央三井は3月末までの購入分に限って適用。評価損は100億円減りましたが、自己資本比率への影響はありませんでした。
一方、みずほは9月末で1300億円の評価損が出ましたが中間決算での緩和措置の適用は見送りました。ただ、みずほやりそなホールディングス、住友信託銀行も「今後検討する」としており、損緩和措置の適用に含みを残しています。
◇不良債権処理費用
不良債権処理費用は、金融機関が利払いや返済が滞っている融資先の経営破綻(はたん)に備えて貸倒引当金を積みましたり、融資の回収を断念した際に発生します。
東京商工リサーチによると、08年度上期(4〜9月)の倒産は、負債総額が前年同期比約2・9倍の8兆6560億円と、史上2番目の高水準です。このため、銀行6グループも融資先の倒産による焦げ付き多発に加え、貸倒引当金の積み増しで不良債権処理損失が拡大し、収益が圧迫されました。
三菱UFJフィナンシャル・グループの畔柳(くろやなぎ)信雄社長は18日の決算発表会見で「これだけ規模の大きい銀行は経済を写す鏡。経済が前向きに行かないと収益向上は難しい」と述べ、景気全体の悪化が進んでいることに危機感を示しました。
◇貸し渋り
大手銀行6グループの中小企業に対する9月末の融資残高は、3月末に比べ約2兆9000億円減少しています。景気後退で設備投資などの資金需要が減ったことに加え、不動産、建設関連などの業績悪化を受け、銀行が融資審査を通じ、貸出先を厳しく選別する“貸し渋り”の動きを強めているためです。
中央三井トラスト・ホールディングスを除く5グループは、半年前より中小企業向け融資が縮小。減少幅が最も大きかったのは、みずほフィナンシャルグループの約1兆円です。
政府は銀行の融資姿勢が一層厳しくなれば、資金繰りに行き詰まる中小企業が増えると警戒しており、信用保証協会の保証枠拡大などを追加経済対策に盛り込んでいます。
金融庁は銀行などに対し、企業の経営内容を十分把握し、過度に審査を厳しくしないよう注文。銀行が「不動産業だから貸せない」「これまで取引がないので融資には応じられない」などと、業種や実績だけで企業を選別するのを防ぐため、監視を強めています。
一方、大手行は大企業融資に比べ、利ざやの大きい中小企業融資を収益の柱と位置付けてきました。みずほグループの前田晃伸社長は「(中小企業向け融資は)店舗や人員を増やして力を入れている」と説明、融資残高の落ち込みを防ぐことは、大手行にとって重要な課題です。
◇自己資本比率
自己資本比率は企業融資、個人向けローン、有価証券といった資産に対する資本金や資本準備金などの比率のことです。
銀行、信用金庫、信用組合の経営の健全性を示す指標とされています。海外業務を手掛ける銀行は8%以上、国内専業の金融機関は4%以上が必要です。自己資本比率の低下は、融資を圧縮する貸し渋りや経営不安につながるため、この基準を下回った場合、金融庁は早期是正措置を発動し資本増強を命令できます。
08年9月中間決算時点では各銀行グループとも、10%超の健全な自己資本水準を確保しています。しかし、株価下落が続いているうえ不良債権の増大も進んでいるとみられ、先行きは自己資本が一層目減りする懸念があります。
このため、メガバンクは海外への大型出資を一時見合わせ、資本増強のための増資など守りの姿勢を強めています。三菱UFJとみずほは既にそれぞれ6000億円、3000億円の増資を発表しており、三井住友も4000億円規模の増資を検討しています。
一方、欧米金融機関に比べ、まだ資本の健全性を維持している国内大手行は、現状を海外進出の好機とする認識を持ち続けています。三菱UFJは今月初め、米地銀ユニオンバンカル・コーポレーションを完全子会社化。三井住友の北山禎介社長も「アジアを重視している。時間を買う必要があると判断すれば、出資や合併などを行う」と前向きな姿勢です。
大手行の資本増強が今後円滑に進むか否かは、貸し渋りの改善だけでなく、各行の海外戦略にも影響を与えそうです。
<引用:iza>
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/finance/196911/



