2008年10月31日

2兆円定額減税は現金かクーポン券のばらまきか

2兆円定額減税は現金かクーポン券のばらまきか

政府・与党は、追加経済対策(生活対策)をめぐって最終調整し、目玉となる「定額減税」について総額2兆円の現金かクーポン券を各世帯に配る給付金方式とすることで合意した。
どうやら、給付金方式は、1999年に総額約7000億円をかけ、15歳以下の子供がいる世帯主に1人2万円分の商品券が配られた「地域振興券」が念頭にあるようだが、やはり、現金での支給を望む声を大きいだろう。
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 政府・与党は10月29日、追加経済対策(生活対策)をめぐって最終調整し、目玉となる「定額減税」について総額2兆円の現金かクーポン券を各世帯に配る給付金方式とすることで合意した。また、住宅ローン減税を過去最大の600万円規模に拡充するなど詰めの検討を行った。これを受けて麻生(あそう)太郎首相(68)は29日、追加経済対策の一部を前倒して年度内実施するため、2008年度第2次補正予算案を今国会に提出し、成立を期す方針を固めた。30日の記者会見で表明する。提出時期は早くても11月後半になる見通しで、11月30日までの国会会期は延長される方向だ。

 追加経済対策ではほかに、証券優遇税制の延長、中小企業の資金繰り支援などを盛り込み、30日に決定。米国発の金融危機が深刻化し、世界的に景気後退懸念が強まる中、家計支援、金融安定、地方活性化などを狙う。国の財政支出は5兆円規模に膨らむ見通しだ。

 定額減税は8月に決まった総合経済対策で年度内実施が明記されたが、減税方式だと低所得の若年層などを対象にしにくく、実施も遅れるため、市町村窓口で給付金を支給することにした。詳しい実施方式などは今後詰める。

 今年末で期限切れの証券優遇税制は2〜3年延長する方向で調整していたが、与党内には5年延長を求める意見があり、調整中。中小企業の資金繰り支援は、2008年度補正予算の約4000億円を上回る規模とすることで大筋合意した。さらに(1)自治体が自由に使える臨時交付金の支給(2)高速道路料金の引き下げ(3)雇用保険料の引き下げ−なども打ち出す。

 一方、日銀は29日、円高が進行し景気の悪化懸念が強まっていることから、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を引き下げる検討に入った。ただ、金利を据え置いたままで大量の資金を金融機関に供給する事実上の量的緩和の方が効果があるとの意見もあり、31日の金融政策決定会合に向け金融緩和の手法を調整する。

 利下げする場合は、現在0・5%の政策金利を最大0・25%引き下げることを想定しているもようで、量的緩和政策で金利をゼロに誘導した2001年3月以来の利下げとなる。


 《因数分解すると》

 消費が落ち込み、雇用状況も悪化する中、政府と与党が総額2兆円の現金かクーポン券を各世帯に配る給付金方式の「定額減税」で合意しました。また、日銀も、円独歩高の流れを食い止めるために、政策金利を引き下げる検討に入りました。予定される一連の措置の狙い、そして実効性はどのようなものでしょうか。

 ■給付金方式
 与党は今夏にまとめた総合経済対策で、定額減税と低所得の高齢者らへの給付金を組み合わせる方向で検討していました。しかし、この方式では低所得の若年層などが支援対象から外れるほか、減税では個人住民税の控除が来年6月以降にずれ込むなどの問題点が明らかになりました。

 このため政府と与党は今回、現金やクーポンなどを市町村窓口で支給する「給付金方式」に切り替えることで最終合意したのです。

 詳しい実施方式などは今後詰められますが、衆院選に向け中低所得者層にアピールしたい公明党と、公明党の意向を尊重することで選挙協力をスムーズに進めたい自民党の思惑が合致した形です。ただ、給付が新たな消費を生み出すかには懐疑的な見方もあり、野党が選挙目当ての“ばらまき”と批判するのは必至です。

 給付金方式は、1999年に総額約7000億円をかけ、15歳以下の子供がいる世帯主に1人2万円分の商品券が配られた「地域振興券」が念頭にあります。自民党内では対象から高額所得者を除く案もいったん浮上しましたが、地方自治体などの事務手続きが過重となり、実施も遅れる可能性があるため見送られる方向になりました。

 ■住宅ローン減税
 現行の住宅ローン減税は、所得税から差し引ける最大控除額が10年または15年で合計160万円で、今年末に期限が切れます。追加経済対策では低迷する住宅建設をてこ入れするため、控除額を大幅に拡大して延長。耐久年数の長い住宅についてはこれまで過去最高だった587万5000円を上回る600万円規模の減税とする案を軸に検討しています。

 実際には上限に近い減税措置を受ける納税者はごく少数ですが、住宅ローン減税にはインパクトのある見出し(今回は「最大600万円」)が付きやすいため、選挙になれば宣伝効果が期待できる」(与党関係者)との狙いも込められています。

 ■年度内実施
 麻生首相は、追加経済対策の目玉に据える総額2兆円の給付金について、年度内実施を公約としつつも「年内実施を目指す」考えを示しました。「(実施が)年内と年を越すのではだいぶ意味が違う」(麻生首相)というわけです。実施を急ぐのは、解散・総選挙が迫っていることが理由なのは明白です。

 当初検討されていた減税方式は、税制改正法案の成立が条件となるため、衆院解散先送りを理由に対決姿勢を強める野党の反対で参院可決が遅れれば、「60日ルール」の適用で年度内の実施が間に合わなくなる可能性が指摘されていました。

 一方、給付金方式なら補正予算が成立すれば実現可能。補正予算案は衆院可決後30日で自動成立するため、国会手続きは簡素化されます。

 しかし、給付金支給の実務を担う自治体関係者からは「大変厳しいスケジュールだ」との悲鳴も聞かれます。また、所得制限を設けずに全世帯を対象にクーポン券か現金を支給する「給付金方式」は非納税者も対象になるため、「ばらまき」色が強まるほか、経済効果も疑問視されています。

 ■利下げ
 日銀が利下げも視野に入れるのは、欧米との金利差縮小で安全な円がいっそう好感され、円高が進行するのを阻止する狙いがあります。金融危機の深刻化を受け米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)も近く、追加利下げを決める見通しで、海外に押されて減速を始めた国内景気を金融政策面からも下支えするよう、日銀に利下げを求める声が高まっていました。

 ただ、すでに政策金利の水準が低い日銀にとって、利下げが可能な幅や回数の余地は少なく、効果を疑問視する声もあります。日銀は独自施策として、金融機関が日銀に預けている当座預金に利子を付ける方針です。金融機関同士が資金をやり取りする短期金融市場で金利が下がり過ぎて、資金の出し手がいなくなるのを防ぐのが狙いです。

 日銀が利下げの検討に入ったことで、29日の金融資本市場では「市場参加者の約9割が11月までの利下げを織り込んだ」(大手銀行)ほか、政府も歓迎の意向を示しました。
 (SANKEI EXPRESS)

<引用:iza>
【因数分解】2兆円定額減税は「給付金方式」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/policy/191219/


abeyoshi at 12:31│clip!気になるはなし 

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